福祉の歴史

日本の福祉の歴史③〜『老人福祉法』生きるか死ぬかから一転、生きる一択へ

YAMADAです。

今回も引き続き日本の福祉の歴史です。

前回の弱者にとって厳しい時代だった救護法から一転、人権尊重へと舵を切ったビッグイベントを背景に老人福祉に注目して解説していきます。

前回の勉強はこちら

1929年時、弱い立場の高齢者にとって非常に厳しい次代でした。しかし1963年になると一転して

第二条 老人は、多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として、かつ、豊富な知識と経験を有する者として敬愛されるとともに、生きがいを持てる健全で安らかな生活を保障されるものとする。

<老人福祉法> 厚生労働省ホームページより抜粋
NOJIMA

えっっ

KOJIMA

態度が180度違うな

NOJIMA

この34年のあいだに何が…

上記の引用は1963年(昭和38年)に施行された老人福祉法の第2条です。

34年間の色々あったことをすっ飛ばしてこれを持ってきてしまったのですが、この間に国家の国民に対する接し方が変わる出来事がありました。

第二次世界大戦敗戦と日本国憲法の制定です

1945年(昭和20年)に第二次世界大戦が終結し、1947年(昭和22年)に日本国憲法が施行。これにより日本は民主主義国家となりました。

日本国憲法は基本的人権の尊重・国民主権(民主主義)・平和主義の三つの基本原理があるとされており、その基本原理から憲法第25条の生存権が規定されています。

日本国憲法第25条: 生存権

第1項 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
第2項 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

この憲法第25条が保障する生存権は生活保護法へ展開されます。

生活保護法

第一条 この法律は、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。

この法律では無差別平等という理念のもとに、国民はみんな等しく生きる権利があることを保障。

そして生活保護法第15条において医療扶助とともに介護扶助も保障しています。

NOJIMA

これは…生きれる!!

そして1963年(昭和38年)に生存権に基づいた老人福祉法を制定。

老人福祉法

第一条 この法律は、老人の福祉に関する原理を明らかにするとともに、老人に対し、その心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な措置を講じ、もつて老人の福祉を図ることを目的とする。

なんと、65歳以上の者を対象に心身の健康を国が保証するというのです。

KOJIMA

ちょっとここの文面を見てほしい

第二条 老人は、他年にわたり社会の進展に寄与してきた者として、かつ、豊富な知識と経験を有する者として敬愛されるとともに、生き甲斐をもてる健全で安らかな生活を保障されるものとする。

老人福祉法 第一章/第二条 基本的理念
NOJIMA

法律の文面なのにあたたかい!!

KOJIMA

法律を読んでるはずなのにほっこりするよね。。

この制定の背景には戦後の高度経済成長がありました。急速な都市化、それを支える人材が地方から都市部へとどんどん出てきました。

そしてそれに伴い新たな問題が発生しました。

偉い人

核家族のみんな〜!親の介護はどうするの?

そう、核家族化による別居の親がどうにかなったら誰がどうするの問題です。

戦前の常識であった大家族はいまや当たり前ではなく、敗戦で苦しい思いをした国としても呼ばれ何が何でも推し進めたい。

貴重な人材が高齢の親の介護のために地方に戻りま〜す!なんて事態は避けたいはずです。

余談ですが戦前にいくつもあった恐慌と比べ、戦後のこの時期は6回くらい好景気の波があったそうです。信じられねえ。ドラクエの作戦なら「ガンガンいこうぜ」しか選択肢はありません。

法が作られる背景には国家としての思想と経済状況が絡みついているんですね。

さて、この法制では高齢者福祉施設として

  • 養護老人ホーム
  • 特別養護老人ホーム
  • 軽費老人ホーム

を規定、他に老人家庭奉仕員(ホームヘルパー)を法制化。

この法律では施設や事業についてなどのハード面を整えることを目的としました。

NOJIMA

一気に手厚くなってきたなあ

KOJIMA

ここから私たち介護士の歴史もはじまったのだな

生存権は世界の福祉の歴史①で取り上げたワイマール憲法を参考に起案されたところを思うと、歴史の繋がりを感じることができてYAMADAとしては胸熱です。

さて、この回で扱った内容は以下のような感じで出題されるようです。

問: 年齢規定に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。

  1. 老人福祉法では,原則として70 歳以上の者を施策の対象としている。
  2. 介護保険法では,50 歳から第2 号被保険者になる。
  3. 高齢者の医療の確保に関する法律の後期高齢者医療制度は,60 歳以上の者を対象としている。
  4. 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律では,事業主に,雇用している高年齢者が希望するときは,75 歳まで継続雇用することを義務づけている。
  5. 道路交通法では,運転免許証の更新を受けようとする75 歳以上の者に,認知機能検査を義務づけている。

これまでの解説で、選択肢①の正否がわかります。

老人福祉法では、対象者を65歳以上の者としているため①は間違い。

ちなみに正解は⑤です。

それではまた次回!

ABOUT ME
YAMADA
キラついたIT業界で企画職として地獄の日々を送っていたが、数年前に介護職へ転職。 のほほんとした毎日を過ごすこと数年、ついに介護福祉士試験を受験することに。危機感が足りないことにやべえと思っている。 アラサー♀

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